楽天堂・HOME>小さな仕事塾>起業講座
目的・特色・概要 / 内容&資料
【1】目的・特色・概要
目的
楽天堂は、京都市上京区で夫婦で営んでいる豆屋です。3畳ほどのお店で売っているのは乾物のお豆――北海道産の農薬も肥料も使わずに育てた自然栽培の豆や外国産の有機栽培の豆&スパイスを主に扱っています。
小売りだけではとても成り立たないので、豆料理クラブという会員制の通販(会員は全国に約250名、2022年7月で終了)や小規模ながら豆料理キットの製造・卸しもしています。
家族4人が何とか食べていける程度なので、世間的には決して成功した企業ではありません(2021年度の売上高1724万円)。
でも私たちはこれ以上規模を大きくしようとは思っていません。むしろ仲間を増やしたい――「自営業者が一人でも増えることが日本の民主主義の発展に寄与する」と信じているからです。
私たちの周囲にも、自営業に踏み出したいという想いを抱いている方がいらっしゃいます(特に3・11の震災以降)。でも起業した店や会社の半数が2年と持たない、10年続くのは1割という(もっとシビアな数字をあげる人もあります)厳しい現実が待っているのも事実です。
グローバリゼーションの競争社会の荒波を乗り切ってゆくには、それなりの心構えと準備、そして仲間が不可欠でしょう。私たちの経験(京都に来る前の山口時代の洋服店経営も含めて20年の小売業の経験)が、新に起業を志す方のお役に立てれば幸いです。
特色
(1)二十年にわたる試行錯誤と失敗の数々(その究極が倒産―自己破産の体験です)から編み出された「勘所」と「コツ」を、余すとこなくお伝えします。「勘所」とは自営業者として判断する際の指標であり、「コツ」とは経験から得られた知恵のことです。
(2)実務や数字の裏付けがなければ、すべてが“絵に描いた餅”です。そこで所得税や労基法/保険関係で実際に用いている帳票類をお渡しするほか、楽天堂の決算書を題材に具体的な数字をあげて売上や在庫を分析し、一つのモデルを提示します。
(3)塾生間の交流も大切にします。和室での少人数の講義、昼食は皆で持ち寄った一品を食べ、講座終了後は交流会、最終回には起業への想いや情熱を『私の起業物語』で発表・・・“同じ釜の飯を食った仲”としての絆が生まれることを期待します。
※起業講座は、新たに創業する方向けの内容ですが、現に自営されている方にとっても、自分の原点を見つめ直したり、抱えている悩みや問題点をぶつけたりできる良い機会だと思います。他の(未だ起業に至らない)受講生には、自営業の先輩の存在が大きな励み(とモデル)になるでしょう。
また、物販の小売業をベースにお話ししていきますが、物ではなくサービスの提供であったり、生産・製造・卸し業などの自営業にも十分通じるものと確信します。
概要 ※現在コロナ禍のため休止中
日程 原則として、1年に2期開講(通常、春と秋に、それぞれ月に一度の日曜日×3回)
時間 10:30-16:00
会場 楽天堂
定員 8名
※楽天堂フレンズ会員限定、3名以上で開講
受講料 30,000円(税抜)
※家族などのパートナーと参加される場合は2名で50,000円
※起業講座を一度終えた塾生は、再受講できます(受講料5,000円/1期)。
申込 開講1週間前までに、メールなどでお申し込み下さい。
内容
[1]開業する際の/店を持続させるための/廃業を決める際の、それぞれ勘所とヒントを、経験に基づいてお話しします。
[2]「開業時に必要な公的手続:税金/労基法/保険」と「年末調整/棚卸/決算/確定申告の手引」という、自営業者が頭を悩ます二大実務の実践的な講習です。
【2】内容&資料
第1回:起業から開業まで
講座内容
(1)はじめに
参加者の自己紹介、楽天堂の歩み紹介、起業講座について
(2)講義
起業の前提となる“からだの感覚”、起業までのトレーニング、起業を決断する際の勘所、開業の準備その1:事業の抽象化、開業の準備その2:事業の具体化
(3)小さな仕事塾(起業講座)に参加した動機
(4)次回に向けて
配布資料
A:レジュメ、楽天堂・豆料理クラブの歩み、『らくてん通信』創刊号(1997年9月20日)、『らくてん通信』第23号(2003年6月10日)表紙、からだとことばを育む会、創業計画書(日本政策金融公庫)、創業計画書の書き方、楽天堂ショップカード、借入申込書(日本政策金融公庫)、【開業までに必要なその他の準備】、楽天堂規約
B:【開業時に必要な公的手続:税金/労基法/保険】
次の資料は、第1回で配布し第2回でQ&Aによる補足説明を行います。1ヶ月の間に、自宅で目を通しておいて下さい。
雇用契約書兼労働者名簿、就業規則届(見本)、就業規則意見書(見本)、年次有給休暇1人別台帳、給料明細書・給料台帳、出勤簿兼賃金計算簿、給料支払明細書、源泉徴収簿兼賃金台帳、給与所得者の扶養控除等(異動)申告書、【開業時に必要な公的手続・補足】
第2回:事業を継続するには
講座内容
(1)Q&A
【開業時に必要な公的手続:税金/労基法/保険】・【同・補足】
(2)講義
事業を続けるための勘所 その一 役に立つ、その二 「私」にとらわれず「公」へ、その三 自己省察&フィードバック、その四 トラブルの未然防止、その五 効率化の徹底
(3)塾生による[私の起業物語]発表
(4)次回に向けて
配布資料
A:レジュメ、お詫びの手紙、豆料理キット・レシピ、豆ランチパーティー一覧、鍋カバープロジェクト、豆ショップ登録シート、 楽天堂・卸売お取引条件確認書
B:【年末調整/棚卸/決算/確定申告の手引】
次の資料は、第2回で配布し第3回でQ&Aによる補足説明を行います。1ヶ月の間に、自宅で目を通しておいて下さい。
給与所得の源泉徴収票、楽天堂・給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表、楽天堂・給与支払報告書(総括表)、報酬/料金/契約金及び賞金の支払調書、棚卸・記録票、棚卸・集計表、楽天堂・消費税申告書、楽天堂・同付表5 控除対象仕入税額の計算表、楽天堂・青色申告決算書、楽天堂・所得税の確定申告書B
第3回:数字の捉え方/廃業の心づもり
講座内容
(1)Q&A
【年末調整/棚卸/決算/確定申告の手引】
(2)講義
経営状況を把握するための3つの指標と方法、損益計算書の読み方、廃業を決断する際の勘所
(3)[私の起業物語]講評&検討
(4)次なるステップ
配布資料
レジュメ、楽天堂・決算書、楽天堂・残高試算表、仕入/経費 予算チェック表、[私の起業物語](今期)