創刊号1997/09/20


創刊に寄せて

おなかに赤ちゃんがいるって素敵!(編集長・高島千晶)


  私は妊婦だった時、店で働くのがとても楽しかった。重い体でも動きまわれる充実感に加えて、「妊婦さん」ということでお客さんから親しみをもってもらえるのが幸せだった。若い高校生の女の子から中年の女の人まで、妊娠していた私に対して、あんなに親しみをもっている人が多かった事におどろく!親しみというより喜び、希望を私の内に見るようにして話しかけてくれた。ふだんはきどったというかひかえ目なおばさんやそっけない若い子も私が妊娠していることに気づくと顔をほころばせる。向こうから声をかけたことのないような人が声をかけてくれた。赤ちゃんや猫に無防備になるように、妊娠している女の人に無防備になる人がいるんだなあ、たくさん。そう思った。中には、そうじゃない人もいる。私はきっとそうじゃない人の一人だったなあ。ある人が妊娠したからといって、その人への警戒を解いたりした覚えがないなあ、、、

  すばらしいと思いました。他人と喜びをわかち合う人がこんないっぱいいるってことが!中には私のおなかの中にいる子どもに向かって話しだす人までいた。この人はこんなに東洋医学的な人だったのかと思う場面が何度もあった。私は私が妊娠したことでお客さんが変わったと思っていたけれど、お客さんはお客さんで、あそこの店長さん、いつもあんなふうにニコニコしてればいいのに、いつも妊娠してればいいのに、って思っていたかもしれない。

  予定日まで無事働き、1週間して赤ん坊は生まれた。新しい生命は、私たちの仕事にも微妙に影響して、3畳ほどの小さな雑貨屋を生み出した。その名も楽天堂!(おおらかないい名前だ―自画自賛)。オゾン層の破壊から、エネルギー危機、食糧難など、子どもたちにとっても先行きに対しての不安が目立つこの世の中で、いのちを大事にしてほがらかに生きる道をさがそうではないかと思う(いきなり大げさになってすみません)。折しも、各地でささやかでもいい仕事をしている人々との出会いがあった。山口にも無農薬でハーブティーをつくっている玖珂の「みんと村」がある。心のこもった仕事やポリシーのある品々を紹介できるのは嬉しい。「いいもの見つけたよ」という私たちのこの喜びを、ちょうどお腹に子どもがいた時みたいに、たくさんの人たちとわかち合えたらいいなあ。



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