メーリングリスト〈100年計画〉の投稿から  

〈お豆の効用〉

 全く肉を食べないわけではない私は菜食主義者ではないですが、野菜や豆を中心に食べるようになって、最近「おいしい」ということは、どういうことかな? と考えるようになってきました。10代の時は運動部でしたから、カレーを3皿くらい平らげて満足ってのが最高で「身体で食べるおいしさ」といいましょう か。でも今は、代謝が落ちてきたせいでしょうか、数口で納得し、満足できる「深みのあるおいしさ」にひかれるようです。

 よく「食べだしたら止まらない」というキャッチコピーがありますけど、「もっと食べたい」と思わせないおいしさもあるんですね。「あきない味」「落ちつきのある味」かな?それには、調味料をなるべく天然で、いいものを使うことも大切な条件だと思います。

 千晶さんがおっしゃるように、オリーブオイルが決め手という料理には良質のそれを。塩が材料のうま味を引出すスープには天然塩を。そうすると、舌が変わってくるような気がします。それとやはり「いい水」でしょうか。

 「おいしい」と脳に感じさせるメカニズムはおそらく人間の身体を安全に守り、栄養のバランスをうまくとらせるための神の技でしょう。豆の効用について調 べていたら、いいことづくめなのでうれしくなってきました。お豆さんの好きな方々には、釈迦に説法みたいでしょうが、ちょっと紹介してみます。

@「核酸」を多く含み、細胞を活性化する:つまり、身体を若返らせる?働きがある。  新陳代謝が円滑に行われ、シミがきえ、肌の調子もよくなる。
AビタミンEを多く含む:ホルモンのバランスをととのえ、高血圧、頭痛、動脈硬化、肝臓病を ふせぐ。抗ガン作用もある。
B植物繊維が多く含まれるので、腸を刺激し、便通がよくなる。

 ずっと昔のことですが、尼僧さんたちと一緒に1週間ほど、お寺に泊まり込みで座禅をしたことがあります。そのとき、まじかでみた尼僧さんたちは 80〜10代まで。みんな化粧もせず、クリームもつけない生活なのに、赤ちゃんのようなフワフワの美肌だったのを思い出しました。規則正しい生活、自然の サイクルに合わせた自給自足の菜食生活のせいとしか思えませんでした。まだまだ奥の深い食の世界ですなあ〜。(2003年10月号・ひよこ豆さん)


〈豆料理クラブハウス滞在記〉

子供達がお出迎え
 「多分ここやと思うけど・・・」いくつも路地を曲がりタクシーの運転手が不安そうに止まった。大丈夫かなと見回すと「あれ?」となはちゃん、光太郎くんが近づいてきた。やれやれ、助かった。小さくても頼りになるお店番。

一本歯の下駄と鰹節削り
 中に入るとお店から台所までの土間に奥行きがあり、通信から想像していたよりずっと広い。そしてびっくりしたのはそこで千晶さんが一本歯の下駄を履いて 豆料理をこしらえているのだ!!なはちゃんも「しゃがむのが一番難しいんだよね」と上手に履きこなしている。整体の稽古が生活と一体となっているようだ。 ムーさんがといだお米を炊き、鰹節を削っている。この姿をみてご飯をいただくと気のこもったおもてなしにこちらもしゃんとする。

夕食の怪談とクラブソング
 「実は、出るんですよ」え、何が?・・・真相はぜひ行って体験されたい。静まりかえったその時、♪この世で一番好きなのは?と録音された歌が流れた。雰囲気ががらりと変わり、妙に明るくノリノリの子供達。一度聴くと忘れられない、みえさんの歌声。

光太郎君と観光に
 翌日は光太郎君と京福嵐山線に乗る。子供達は電車に夢中だ。嵐山も近い。縁結びの野間神社で私が(かわいい女の子に会えるよー)とささやくと手を合わせ祈る姿がかわいい。しかし、彼らは「JR嵯峨野線!」と一目散にかけだしていった・・・
    
近所の素敵な空間が
 お昼は千晶さんが近くのはちはちという古い民家を改築したパン屋さんへ連れて行ってくれた。その日は珍しいコリアンダー粒入りのパン。以前通信で紹介さ れたU空間もすぐそばだ。どちらも敷居をくぐると緑豊かな別世界が広がる。京都の知られた観光地とは全く違う趣のある場所がこんなところに・・・

発送間近!!
 その日は豆料理クラブの発送に大忙しだったのだ(すみませんでした)。「ムーさん、ここはこっちに代えた方がいいんじゃない?」編集を一つ一つチェック しながらいくつかのフォームができていく。夫婦仲良く作業する姿に感心。電話に応対する千晶さんは首に受話器はさみ、話を聞きながらせっせと豆の袋つめ作 業。「あのー、何か手伝いましょうか?」ぼーっとしているより手を動かそう、と豆を計ったり宛名を書いたり箱を組み立てたりと結構まめな作業が楽しい。こ うして手作りの豆料理クラブが毎月送られて来るのか・・・興味のある方は滞在中に体験してみては?

そして豆料理
 夕飯ついに豆料理が!前回山口で虎豆パン、ひよこ豆の揚げ餃子、シチューなど動けなくなるまで食べてしまった。今回はズッキーニとエンドウ豆のピューレ をいただく。豆料理を教わるチャンスだ。私のように作りきれずに「これ、食べてみたかったの?」という人も訊ねてみては?千晶さん、昼間お座敷で沖縄みた いな豆料理食堂はどう? 

アクセス
 京都駅から32番嵯峨野線で円町下車。電話で細かな道順を聞こう。その電話の向こう側で千晶さんが今日も豆を袋詰めしているかも?! (2003年10月号・HSさん)


〈豆料理セットの活用法〉

@お豆:届いた豆を計量して1カップ毎ビニール袋に入れる。(目安がつけられる)
Aスパイス:よく使う豆用のスパイスを仕切りのある缶に入れる。(ML参考に)
Bレシピ:スパイスの缶のふたにお気に入りレシピを書いておく。
C楽天堂の通信:半分に切って、A4版クリアファイルに入れる。(100円ショップで40シート)
Dお届け箱:月に1つなので、1年で12コ同じサイズの箱がたまる計算。これを捨てずに、古着や和紙を張って、カラフルな収納箱に変身させる。

*ビデオ収納箱:ちょうど10本 本もぴったり。読みかけの本をとりあえず入れる。
*思い出箱:毎年増えるけど、捨てられないもの 日記・手帳・手紙・年賀状の保管  (2003年9月号・ひよこ豆さん)


〈スパイス入門〉

 初めてスパイス中心のレシピを見るとえっ、 何か大変そう、とかいっぱいあって覚え切れないという気持ちが起こるかもしれません。私の場合、10歳くらいから自分でハーブを育てたり、ポプリを作って いたせいか、その延長で香りに引き込まれてしまい、一つづつ種類が増えていくのが楽しくて仕方ありませんでした。

  千晶さんも書かれていたとおり、インドの豆料理に必要最低限のスパイスはクミン、コリアンダー、そしてターメリックとチリ4つです。これに慣れてしまう と、バリエーションとして、フェヌグリークやマスタードシード、アジョワン、ヒングなどが欲しくなってくるかと思います。そしてこのカタカナのやっかいな 名前を覚えるより、より身近にちょこまか使ってみるためにおすすめの方法があります。

用意するもの:クッキーの空き缶(中に仕切りが入ったもの)
 在日のインド人のうちで始めて見たのですが、日々使う少量のスパイスはすべてこの細かな仕切りのある空き缶に全部収めてしまうのです。こうすると、いく つものビンを出し入れする手間が省けるばかりか、スパイス料理全般にいえるタイミング(順番を見極めつつ、スパイスを焦がさないぎりぎりまで油でいためる など)を逃しません。

 何かしけっちゃいそう、と思いましたが、スパイスは結構長持ちするので案外平気。なくなれば大きなビンに詰まったスパイスをまた出してきます。ネパール、インドの家庭では金属やプラスチックでできた丸い缶に小さな丸缶がいくつも詰まった物を使います。

 こうして入れとけば思い立ったときに「今日はしょうゆ味の変わりにコリアンダーをいれてみようかな」という気分になれる?!少量から始めてよく炒め、よ く煮ることがおいしさの秘訣です。油で炒めるスパイス(クミンなど)はしっかり焦げる手前まで(はじけるまで)油で通さないと単なる苦味になってしまいま す。また調理半ばで加えるコリアンダー、ターメリック、チリなどは味をなじませるためにじっくり煮込まないとこれまた粉っぽくなってしまいます(といえる ほど私は失敗しました)。

 普通の日本の野菜炒めが10分ほどで仕上がるとしたら、インド料理では2−30分は蒸し煮しています。しかもある程度まで結構な強火で(そのせいか油も 大目)。それほどスパイスがなじむのに時間がかかるのかもしれません。このタイミングは何度も作り続けることで身につくかと思います。スパイスの組み合わ せも毎日変えてみても楽しいです。

 そして使い続けるうちに気がつかれるかと思うのですがカルダモン、シナモン、ナツメグなどはお菓子作りの他には肉料理の臭み消しに使われる程度であんまり必要ではないのです。
 長くなってしまいましたがスパイスを身近なものにできたらと思います。(2003年8月号・ボランティアスタッフひろ)


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